オートバイ motorcycle 2004 3 7

 オートバイが好きな友人が、こんなことを言っていました。
日本の峠道を走るのは、単気筒の250ccのバイクが一番速い。
 これには、解説が必要でしょう。
普通は、750ccの4気筒のオートバイの方が速いと思うでしょう。
 しかし、日本の峠道は、狭く、急カーブが多いのです。
このような道を走るには、車体重量が軽く、
しかも、操作性が軽いオートバイの方が、速く走れるのです。
峠道を速く走るためならば、
わざわざ、750ccのオートバイを買う必要はないのです。
このような大型で重量級のオートバイが活躍するのは、
高速コーナーが多い峠道です。
 なぜ、オートバイの話を持ち出してきたかというと、
最近のパソコンが、750ccのオートバイのようになっているからです。
エンジンを、250ccから750ccにすれば、馬力が向上します。
しかし、日本の道路では、あまり実用的ではないのです。
パソコンのCPUの高速化も、似たようなものです。
 もちろん、750ccのオートバイに、愛好者は多いのです。
オートバイの愛好者の間では、750ccのオートバイには、人気があります。
しかし、これは、オートバイが、愛好者の道具だからです。
 パソコンも、最近までは、愛好者の道具でした。
だから、CPUを、ひたすら高速化することは、支持されました。
ところが、最近は、誰でも、パソコンを使うようになりました。
つまり、パソコンが、愛好者の道具から脱皮しつつあるのです。
 さて、もう一度、オートバイに戻りましょう。
オートバイは、750ccのオートバイだけではありません。
400ccのタイプもあれば、250ccのタイプもあります。
実用的なオートバイは、50ccのタイプでしょう。
 オートバイメーカーは、実用向けから、愛好者向けのオートバイまで、
実に、多様なオートバイを作っています。
 やがて、パソコンも、そうなるでしょう。
正確には、デジタル家電コンピューターが、そうなるでしょう。
 CPUの高速化で、消費者を引きつけられるのは、愛好者だけだと思います。
しかし、愛好者を無視すると、オートバイメーカーは成り立たないのです。
これが、オートバイメーカーの悩みでしょう。
この悩みは、CPUを作っているメーカーにも起きてくるでしょう。
 オートバイメーカーは、愛好者向けに、高出力のスポーツバイクを作りつつ、
大衆向けのオートバイも作ってきたのです。
こうなると、成長産業とは言えないでしょう。成熟産業と言えるでしょう。
 それから、OSも変わるでしょう。
今のOSは、重量級の大型OSです。
このような巨艦のOSも、やがて変わっていくでしょう。
 今のOSは、オートバイにたとえれば、
実用バイク兼スポーツバイク兼オフロードバイクのようになっています。
 つまり、日常は、ラーメンの出前ができて、
週末は、峠道を走り、さらにオフロードも走る。
そういうオートバイになっています。
 日本の技術ならば、そういうオートバイを作ることができるでしょうが、
やはり、無理があるでしょう。
出前用のオートバイ、
スポーツバイク、
オフロードバイク、
3つに分けた方が合理的です。


























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